此れとか、『ローマ法王の休日』とか、予告編を作るのって大変だとは思うのだけれど。

 ・・・・人によっては本編見た後に怒るんぢゃないかな。

 
 

 アルバート氏の人生

 昨年の、個人的「やられたコレっ!」度合ナンバー1だった『ローマ法王の休日
ほどではは無かったけれど、この予告編を見て何か思わずニコニコしてしまうような
期待を持って本編を見ると、「?」となってしまうんぢゃないかねと思う。
 けっしてそういう要素がないという訳ではないのだけれど、全体的に見渡すと
此れは江戸川乱歩がいう所の「奇妙な味」の作品である(例えが古いねど〜も)
 客観的に見てハッピーエンドかというと微妙だし、ジェットコースターのような
展開やドラマチックな盛り上がりもない。まさに、「奇妙な味」のする短編小説と
いった感じなのだ。
 それでもこの時代に生きる底辺層の人々のしたたかな生き様・死に様
に思わずニヤリとさせられたり、主人公であるところのアルバート氏を中心に
巡り巡る様々な人々のチョッとしたアレやコレやに思わずハッとさせられる、
よぉく練り込まれた一本である。