最近、足りてなかったモノを補給した感じ

フライト・ゲーム

 飛行機内を舞台にしたサスペンス物自体は
そう珍しくもないが、意外と飛行機内ではない
シーンが長かったり、物語の重要な出来事は
飛行機の外で起こっていたりする。
 その点、今作は冒頭10分ぐらい?で飛行機
に乗ってからラストまで基本的には飛行機内
だけで展開し、物語進行に必要なモノは全て
飛行機内に揃っている。 ネットやTV報道が
進行に関わってくるが、主人公も犯人も飛行
機の中にずっと居るのは変わらない。無駄が
なくてテンポよく、ドンドンドンドン話が進ん
でいく。
 そして、ジュリアン・ムーアである。この人が
出ていると聞いて、また所々絶句するシーン
があるのか、とちよっと心配になった。いや、
嫌いな女優さんではないのである。むしろ、
好きだ。この人の出演作・・・・『ハンニバル
フォーガットン』『トゥモロー・ワールド
『NEXT』『キャリー』を見る限りチャレンジ魂
の塊か来る仕事は何でも受けるかのどっち
かだ。
 しかしであるからこそ、今作の中にも何処
か「ありゃありゃ、なんぢゃこりゃーっ」となって
しまう楽しいシーンが出てくるのではないか
と心配?したのだが、今回はその必要はなか
った。
 この緊迫感・緊張感の持続。キリキリ締め
付けられる感じ・・・・注目されている閉鎖的空
間、孤独なヒーローの奮闘と仲間の獲得、過
剰なマスコミ報道による混乱。最近の『ダイ・
ハード』に無くなってきている要素である。