倫理的にどうなのか、といったことはひとまずどうでもいいらしい『リミットレス』

 

リミットレス

 この手の話で、ジャンル好きの人が大体思い浮かべるのは
スペクトルマン』第48、49話「ボビーよ、怪獣になるな!!
悲しき天才怪獣ノーマン」・・・・ぢゃなくて^^;;;(いやまぁそれでも
いいけど) 『アルジャーノンに花束を』かと思うんですが、なんにせよ、
そこには「こういう事をすることがいいのか悪いのか」という問題が
直接的でないにせよ付き纏っていたと思うんですね。そして、措置を
受けた被験者は大抵、悲惨な末路になる。
 ところが本作は、そういう部分が全くゼロぢゃないにせよスコーーンっ
とすっ飛ばしてしまって、ひたすら「どうやってしのいで行くか」にスポット
が当てられてます。投与した薬の弊害で色々とヤバい事になった人、
薬が原因でヤバい状況になる人は主人公の周りにウヨウヨ出てきます
が、それを反面教師にしたり利用したりしてしぶとく主人公はその場
その場をしのいでいく。後悔とか反省とか、根本的な部分ではして
いない。
 映画を見ている最中は自分自身もそっちに頭が廻らなくて、見終わって
数時間してから「あれ、そういえば・・・・」と改めて思った次第で、まぁ作品内
のエピソードが自分にとって面白かったからかもむ知れないけれど、
自分の中にある倫理観みたいなものもいつのまにか何処かに置いてきぼり
になってたいたのかな等と思ったのでした。
 更に言えば、古典的なSFネタもこういうアプローチの仕方で
やればまだまだ使えるかも知れないとも思ったのでした。