現実とバカ(表現)の間 というか有名シリーズの其々二作目を見て思った事。

 シネコンの¥1,000デーで続けて見た。
 

 一作目の公開時期も同じ年。そして今回の続編の公開も
ほぼ 日本では同時期。
 其々の一作目を見た時、どちらも、非現実的なシチュエ
ーションを現実社会の中で如何に成立させるかを、今迄に
ないような切り口でどう見せるかという所が肝かなと思い、
自分の中では両作はそんな遠くはない位置関係にあったの
だが、今回それぞれの続編を見て、当初から目指していた
方向が違ったのだなぁと改めて思った次第。
 『マチューテ』一作目はそもそもの始まりがフェイク予
告編だったこともあって、絵的に馬鹿馬鹿しい^^;;;シチュ
エーションをどう肉付けして説明するかという作りの作品
だった。メキシコからの不法移民の過酷な状況を盛り込ん
だことで緊迫感や世界観の広がり、ある種の「リアルさ」
といったものが増し、シチュエーションやキャラクターの
非現実性はともかく物語の流れそのものは「なくはないん
ぢゃないか」という気がした。今回も、基本的にやってい
る事は変わりない。冒頭に置かれたフェイクの予告編(今の
所)を成立させるために、ひたすら状況がぐるぐると目まぐ
るしく回転しつづける。ただ今回は行きつく先が前よりも
っと有りえないだろうと思う所で、本当にもう力技で押し
切っていき、そういう意味で「リアル感」は皆無である。
 マチューテのキャラクーが確立している事をいいことに
やりたい放題である・・・・というか既にマチューテはスティ
ーブン・セガール化あるいは『13日の金曜日』のジェイソ
ン化し始めているんじゃないかと思う。まぁ、冒頭5分?
ジェシカ・アルバたんがあんな事になってしまった時点
で、もう前作とは別の映画だと宣言しちゃっている。一体
どこまでヲカシくなっていくのを楽しむ作品なのだなぁと
思った。『007/ムーンレイカー』みたいなのやってく
れないかなぁ。
 一方の『キックアス』はそもそもが現実ではうだつの上
がらない少年が夢想を具現化した事から来る現実とのギャ
ップを基盤にしていた作品である。夢想と現実のギャップ、
つまりキャラクターの想いを中心に据えている。なので?
キャラクターの想いがより複雑化すれば物語そのものも複
雑化していく。各々のシチュエーションは非現実的なのだ
がキャラクター達が感じる想いはより「リアル」さを増し
ていく。クロエ嬢がハイスクールのヒエラルキーに馴染め
ない様が妙に『キャリー』とオーバーラップして見えてし
まって可笑しかった。
 なので?今作を見終わった後の印象はかなり切なく、主
人公2人(になっちゃってるよなぁ、というかむしろ主人公
変わってるかも知れない)の行く末^^;;;が気になって仕方
がなくなるのだった。
 おそらくどちらも第三作が作られるのだろうが^^;;;見た
時に感じる印象の差は今回よりもっと開くのだろうなぁ。其
々楽しみだけど。