ズルいよなぁ 『ヤコブへの手紙』ぐらいの規模のヨーロッパ映画って


ヤコブへの手紙



 此れとか、昨年見た『ブロンド少女は過激に美しく』
もそうなんだけど、ガンっとインパクトを与えておいて
ブツ切り的に、というのは、効果は凄いんだけどやっぱ
ズルいよなぁと思ったりする。まぁ、短編小説などは
そういう造りのモノが多くて、『ブロンド』などは正に
短編小説が原作なのだからいいっちゃいいのだけれど。
 まぁ、これも一つの「手」かなぁ。
 
 当然、劇場で字幕版を見たので原語で何を喋っている
のか仔細は分からない訳で、今作の物語の中盤での牧師
の不可解な行動が、単にこの牧師が老いたためなのか、
それとも勘違いするにたる十分な理由があったのかが
分からなかった。まぁ、物語の大筋にはさほど関係は
ないのだけれど、しかし、老いが原因だとしたら、物語
後半に至っての牧師への手紙の量についても一応説明が
出来る訳で、しかしそうだとするとこの牧師の少なくと
も最後の数年間というのは非常に悲しいものだったのだ
ということになり、それはまた凄いなぁと思う。まぁ
大オチとか、中盤のお金に関するエピソードが在ったり
するからこの牧師の全てが、ということにはならない
のだけれど。

 この「曖昧さ」は東宝のクラシック特撮ホラー映画
マタンゴ』に何かしら通づるモノがあるなぁと思い
始めた^^;;;

 前半のひとつひとつの描写がやけに細かいのだけれど、
それがそのまま二人の登場人物そのものを描くことに
直結している。こういうのがまた、ヨーロッパ映画
よなぁと思ったりする。