ガンガンひっくり返しても一応論理的に見える、さすが独逸映画。

 観る前はある事でちょっとムシャクシャ
してたんだけど、グイグイ引き込まれて
見終わったら全てスッ飛んでた。



 ロスト・メモリー 

 なななんと独逸産の「スリラー映画」。いやもう
「スリラー」としかいいようがない。終盤に入る辺り
からさすがに物語全体の構造は見えてくるけれど。
 途中までは、最近よくある「自分のことなのに
過去の記憶が曖昧で困ったまぁ → うわぁ忘れてた
こんな事実かっ(←覚えとけアホ)」みたいな作品
なんだろうなと思って、事実そうだったんだけど^^;;;
終盤に入る辺りからの畳み掛けと罠の貼り方が作品
全体を滅多にないテンションに盛り上げてくれて、
「其処(底)からそっちに行くかぁあああっ」という
感じ。

 そして物語内の摩訶不思議な部分に、自分が認識
している限りではほぼ、筋が通った「説明」をして
くれるところが、なんとなく「さすが独逸映画」と
感じさせてくれた。ファンタジィ/オカルトだから
といってそれはルールが違うだろうといった放りっ
ぱなしの展開が結構横行する中、終盤に向けて様々
なピースがカチッカチッと綺麗にハマっていく感覚
は嬉しかった。また、2009年の衝撃の香港映画
『殺人犯』にも似た、不気味な期待感をはらんだ余
韻を持って物語が終わるのもまた心地いい。

「そんな原因でそこまでするかっ」と思わず突っ込
みそうになった矢先に「そりゃそこまでの目に遭わ
されれば、そうもなるわなぁ」ときめ細かなフォロ
ー(フォローとは言わないかも知れないが)が入る、
 堪らん美味しさだなぁ独逸映画。