今年の夏コミ

特撮

　今年の夏コミも知人の手伝いしてます。初日・東サ-08b　
『帰ってきたウルトラマン』ＦＣスタビライザーさんの所です。


　以前の会誌(2012年 冬号)に寄稿した物を部分抜粋。
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『帰ってきたウルトラマン』#23「暗黒怪獣・星を吐け！」より

「本当の暗黒」



　問題作である。
　毎回、このスタビライザーの原稿を書く時、ある意味、
「突っ込み所」を探しながらお題となるエピソードを再見
するのだが、そういう意味では突っ込み所満載、というか
自分的には突っ込み所しかない物語なのである、この23話
は。
　それでもこの際、目を潰れるところは目をつぶろう。
　地上から見て星が消えたりするのと同じタイミングで宇
宙空間で星々が暗黒怪獣に食われているのも由としよう。
北極星まで約430光年、蟹座55番星eまでは40光年だそうだ
が、宇宙に出たことのない自分には分からない。
　変身前の郷秀樹がＭＡＴ基地内で、怪獣はやむにやまれ
ず逃げてきたのかも知れないとレクチャーを受けていたの
に、変身後、ザニカの腕を平然と切り落としてしまったの
も当時の風潮だと思うことにしよう。毒ガスのネタだって
『新マン』には在るのだ。
　あくまで天文研究所のいち職員である筈の男が地球滅亡
の危機を発見して、その情報を自分自身のセンチメンタリ
ズム？で握りつぶしてしまおうとしていいのか？　更には
それを聞いていた丘隊員はその事をＭＡＴ内に報告しなか
ったのか？　ウルトラマンである郷秀樹は何か策があった
のかも知れないが(まぁそれでもマズいと思うが)。これは
もう相当に問題だと思うが、実はこの職員が何かの組織、
結社の類の大幹部で、何か画策していたのかも知れない。
だから郷も丘もスチャラカになってしまっていたのだ、そ
れならば、このセンチメンタルすぎる責任放棄な行動も一
応、説明がつく••••ことにしたい。
　こうして色々な事を許していったのだが、どうしても、
なんでだか理不尽に思ったことがある。本エピソードに登
場するゲスト・南條純子とその父親？と思しき男性につい
でてある。
　そもそも本当に二人が父娘なのかどうかも分からない。
唯一それを示唆するのは事件が終わったあとに純子が発し
た「お父さん」という言葉だけだが、当人同士の二人だけ
の状況での呼びかけでは本当の所は分からない。
しかしそもそも、本当に親子なのだとしてもとても不可
解なことだらけである。
　まず分からないのは、丘隊員が最初に「星占いの娘さん」
を訪ねていくところ。
　たまたま、丘隊員が路上で見かけた中年男性に「星占い
の娘さん」のことを聞いた途端、男性はなにやら警戒する
ような表情になり「あんた、誰かね？」と探るように質問
をする。丘隊員が「ちょっと知り合い」だと言うと、それ
に対して言うのが「あの子は病院に入った方がいいんだ、
星占いの力はまるでなくなって、半分、気狂いのようにな
ってしまった」と寂しそうに言う。これはどういう事なの
だろうか。
　まず本当にこの男性が純子の父親なら、丘隊員に対して
自分が父親であることを明らかにしないのは何故なのか？
　自分がＭＡＴ隊員という公職であることを言わない丘隊
員もちょっと問題があるかとは思うが、この時、丘隊員は
特別におかしな身なり、様子をしている訳でもない。「自
分の娘」を訪ねてきた若い女性に対し怪訝な表情を向ける
「父親」には、果たして何かあったのだろうか。
　想像するに、この「父親」自身が、丘隊員が来る直前に
純子を訪ねていたと思われる。
そうでなければ彼女の直近の状況を説明できまい。しかし、
それであれば何故、ひとごとのように「あの子は病院に入
った方がいい」などと言いながら放置しておくのだろうか。
本当の父親ならば、まっさきに自分が助けを呼ぶべきなの
ではないか？
　そして更に分からないのはこの時の言葉「星占いの力は
まるでなくなって、半分、気狂いのようになってしまった」
だ。
　「気狂いのようになってしまった」はともかく、「星占
いの力」は存在したというように解釈できる。この「星占
いの力」とはなんなのか？
　一般論だが、仮にも自分の子供に「星占いの力」などと
いう得体の知れない能力が発現したとしたら、その時点で
〜言い方はよくないが劇中の言い方をするなら〜「気狂い」
だと思わないだろうか。
　丘隊員が純子をどのような経緯で探し当てたのかは仔細
には分からないが、「星占いの娘さん」というキーワード
だけで住んでいる（らしい）地域までやって来たのだとし
たら、「星占いの力」はそこそこ評判になっているのだろ
う。とすると、何かしら紆余曲折があったにせよ、この
「父親」は現在は娘の「星占いの力」を本物とみなしてお
り、その力が消失することをデメリットだと感じていると
推察される。
　丘隊員と出会った時の格好、ならびに物語終盤の「父娘」
のシーンを見ていると、この「父親」は何やら生花に関わ
る仕事をしているようだが、決して大規模な商売をしてい
るようには見えない。ひょっとすると、その「星占いの力」
を自身の商売に利用するか、もっといえばその星占いの力
で直接的な経済的利益を得ていたのだろうか？
　だとすれば、また不可解なことがある。丘
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